個人間でお金を借りる時の書類「借用書」の書き方や法的効力を持たせるコツ

個人間でお金を借りる時の書類「借用書」の書き方や法的効力を持たせるコツ

友人や家族など親しい間柄であっても、個人間でお金を借りる際には証拠書類を残しておかないと、後で思わぬトラブルに発展するリスクがあります。
お金を貸す人とお金を借りる人で、お互いの認識にズレが生じることによって、借りるお金が少額であっても人間関係に大きな溝を深める結果になりかねません。

そこで、個人間でお金を借りる時のトラブル防止策のひとつとして、借用書を作成して証拠書類を残しておくことを提案します。
この記事では、個人間での借用書の書き方、手書きでの書類の書き方のコツ、書類の法的効力を強化するコツと注意点について詳しく解説します。借用書の書き方でお困りの方、返済トラブルを未然に防ぎたい方はぜひ参考にしてみて下さい。

目次

個人間(家族・友人)でお金を借りるなら作るべき書類「借用書」

家族や友人など個人間でお金を借りる際には、その証拠書類として借用書を作成しておくのが大切です。借用書が1枚あるかないかで、金銭貸借を行った後の返済トラブルを未然に回避できる可能性が高いです。
ここでは、借用書とは何か、借用書の取り交わしの必要性、借用書を作成するメリット、借用書を公正証書にする際の必須項目と重要ボイントをわかりやすく解説します。

借用書とは

借用書とはお金を貸す人 (貸主・債権者) とお金を借りる人 (借主・債務者) が存在している場合に、双方でお金の貸し借りの取引があったことを証明する書類です。

お金を借りるのに借用書が必要な理由、作成するメリット

借用書として書面の取り交わしを行うことにより、お金を貸す人と借りる人の双方が、返済期日・返済方法など、返済に関する情報を共有します。これによって、お金を貸した人は「貸主」となって債権 (貸したお金の返済を請求して回収する権利)が発生し、お金を借りる人は「借主」となって債務 (返済義務) が発生したことをお互いに認識させることができます。

金銭トラブルを避ける、裁判での証拠になる

友人や家族など個人間でお金を借りる際に借用書を作成しておけば、お金の貸し借りがあったことを書面にて証明できるようになり、取引した後に返済トラブルを防止できる確率が高くなります。
お金を借りた人が返済期日を過ぎても支払いができない場合は、借用書が1枚あれば法的な効力があり、万が一裁判沙汰になった場合でも証拠書類としての力を発揮することができます。

借用書のない借金は返済義務が無くなる

仮に借用書の取り交わしをせずに、個人間でお金の貸し借りを行った場合は、証拠となる書類が存在しないため、返済する義務がなくなってしまうので、お金を貸した人はとくに要注意です。
もし個人間でのお金の貸し借りで借用書を作成していなかった場合は、「債務承認弁済契約書」を準備しておくことで法的な効力を持たせることができます。

借用書と金銭消費貸借契約書の違い

借用書と類似する書類では「金銭消費貸借契約書」がありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

  • 借用書
    お金を貸す人 (貸主・債権者) が単独で作成を行い、お金を借りる人 (借主・債務者) に対して発行する書類です。
    お金の貸し借りをすることの意思確認と事実を証明するために、正本を2通作成。
  • 金銭消費貸借契約書
    貸主から借主に対してお金を貸して、借主がお金を借り入れすることを定めた契約書類です。
    貸主と借主の2人が当事者となるため、それぞれ1通ずつ作成して2通保管。

金銭消費貸借契約書の取り交わしを行う場合は、「借入したお金 (元金) に対して有利息で、元金と利息分の合計額を毎月返済する」といった内容の契約を締結するケースが多いです。貸金業者からお金を借りる際に金銭消費貸借契約書を取り交わすこともありますが、家族や友人などの個人間での金銭貸借でも、この契約書が使われるケースもあります。

お金を借りる前に借用書の書き方をマスターしよう【テンプレートあり】

家族や友人など個人間でお金を借りる際には、借用書の正しい書き方について知識を深めた上で、書類の取り交わしを行うことが重要となってきます。
ここでは借用書の書き方で最低限抑えておくべきポイントや、借用書のテンプレートについてご紹介しています。家族からお金を借りるのに借用書のテンプレートを探している方、借用書の書き方について見本やサンプルを入手しておきたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

借用書の書き方のポイント

家族や友人など個人間でお金を借りる際に、借用書の作成でこれといった具体的な決まり事はありません。しかし、お金を貸す人と借りる人との個人間での契約を取り交わすことなので、基本的な書き方はしっかり抑えておきましょう。

金銭貸借によるトラブルを未然に防ぐために、お金を貸す人 (貸主・債権者) が借りる人 (借主・債務者) に対して、返済などに関する不利な条件を提示しないなど、相手に対しての配慮も求められます。不利な条件を突きつけることによって、かえって返済が滞り、思わぬトラブルに発展するリスクがありますのでご注意下さい。

そもそも借用書の取り交わしを行う最大の目的は、貸したお金を返済期日までに確実に返済してもらうことにあります。お金を貸す人も借りる人もお互いに協力し合い、相手に不快な思いをさせずに済むように、最低限のルールを守りましょう。

借用書に必要な記載事項6つ

個人間で借用書を取り交わす際に、最低限必要な記載事項は以下の通り6つあります。

  1. 収入印紙の貼付
    (借りる金額が1万円以上の場合に借入額に応じて収入印紙を貼る)
  2. 表題を記載する
    (借用書・金銭借用書・金銭消費貸借契約証書)
  3. 借金の金額を記載する (大字の漢数字で記載
    【例】1万円借りる場合は「金壱万円也」と記載)
  4. 借用書の作成日 (年月日) を記載する
    (年号は西暦ではなく「令和」など和暦で記載する)
  5. お金を貸す人 (貸主・債権者) と借りる人 (借主・債務者)の氏名を記載して押印
    お金を借りる人は借用書の右下に自分の氏名と住所を記載する。
    ※借主は氏名のみの記載は不可
    ※同姓同名の人が存在する可能性もあるため必ず住所も記載する
    ※借主は実印を押して印鑑証明書も合わせて添付する
  6. お金の借入日を記載する
    (借用書の作成日と同じ日)

さらに借用書に記載しておくと安心できる事項4つ

上記の【1】~【6】の他に、借用書に記載しておくと安心できる4つの事項は以下の通りです。

  • 返済期日 (返済期限)
  • 有利子でお金を借りる場合は利息 (実質年率の金利) について記載する
  • 返済期日に遅れた場合に備えて遅延損害金の利息 (実質年率の金利) を記載する
  • 返済方法 (銀行振り込み、分割払い・一括払い、返済回数など)

【無料ダウンロード】借用書のテンプレートはこちら

個人間でお金を借りる際に、借用書を一から書き起こすのは大変な作業です。借用書の書き方見本を参考にして、お手持ちのパソコンやスマホからテンプレートをダウンロードしておけば、後は必須項目を入力するだけでスムーズに完成します。

借用書のテンプレートのダウンロードはこちら

書類に法的効力を持たせるコツ・注意点

個人間でお金を借りる時に取り交わす書類「借用書」について、法的な効力を持たせるにはどうすれば良いのか、さまざまな疑問や不安が生じることもあります。
そこで、個人間でお金を借りる際に法的効力を持たせるコツや注意点をについて詳しく解説します。友人や家族からお金を借りる際に、手書きによる借用書の書き方がわからない方も、以下の通り10点についてコツを抑えておけば、法的に有効な借用書が完成します。

署名と捺印を忘れない

借用書に法的な効力を持たせるには、最低限必要な情報を書類に記載しなければなりません。
借用書には署名のみの記載ではなく、署名と捺印を必ずセットが行うのが基本です。

捺印の際には認印を使用しても問題はありませんが、書類の改ざんを未然に防止するための対策として、実印を押しておくことをおすすめします。
「実印」とは市区町村役場にて印鑑登録された印鑑です。印鑑登録の手続きを済ませておくと、登録された印鑑が本物であることを第三者に向けて証明できる書類として、印鑑証明書の発行が可能となります。

直筆で署名する

借用書を作成した後に万が一返済トラブルが発生した際に、署名を直筆で記載しておくことで筆跡の鑑定が可能となるため、法的な効力をより高めることができます。

借金の金額は漢数字で記載する

通常の書類では「1・2・3」などのアラビア数字や「一、二、三」などの漢数字が用いられますが、借用書の法的効力を持たせるには「大字の漢数字」を使います。大字の漢数字を用いることによって書類の偽造や改ざん防止対策としても役立てられます。
たとえば、友人や家族から1万円のお金を借りる場合は、「壱萬円」の前に「金」、金額の後に「也」を記載して「金壱万円也」と記載します。
借用書における漢数字の使い方について、以下の内容をご参照下さい。

スクロールできます
アラビア数字漢数字大字 (漢数字)
1
2
3
5
10
10000

手書きの際はボールペン・万年筆で書く

手書きの場合は、ボールペンまたは万年筆で書くのが基本です。鉛筆・シャープペンは消しゴムで簡単に消せるため、借用書の内容が改ざんされるリスクがあります。また、消しゴムで消すことのできるタイプのボールペンは絶対に使わないようにご注意下さい。

訂正箇所には二重線と押印を記す

書き損じがあった場合は、新しく作成し直しても良いですが、訂正箇所があれば二重線を引いて、その上に訂正印を押します。
ただし、手書きの借用書に金額の記載ミスが生じた場合は、金額を訂正するのではなく、新たに作り直すことをおすすめします。借用書でもっとも重要な情報は金銭貸借における取引の金額であるため、金額を間違えた場合は一から作成し直しておきましょう。

金銭を受領した旨の記載する

借用書には必ず金銭を受領した旨について記載します。金銭の受領について記載していなかった場合、借用書を発行しても「お金の貸し借りがあったのか」と疑わしくなり、法的な効力を持たせるのは難しくなってしまいます。
借用書には借入金額を大字の漢数字で記載して、その下に「上記の金額を以下 (次) の条件により借用し、受領いたしました」といった文章を記載します。金銭を受領した旨を記載したら、その下には利息・支払い方法 (返済方法) ・返済期限・遅延損害金などの取り決め事を明記します。

反社会的なことは書かない

借用書には反社会的な内容や常識の範囲を超えるような内容は記載しないのが基本です。
たとえば「賭博で負けたお金を支払うためにお金を借りる」といった内容の文章を書くのは禁物です。借用書に反社会的な内容が含まれる場合、社会的な秩序を乱すものとして民法上においてその借用書は「無効」とみなされます

正本2通を作成する

「借用書を何通も作成するのは面倒なので1通あれば十分」というのは大きな間違いです。
借用書の取り交わしはお金を貸す人 (貸主・債権者) と借りる人 (借主・債務者) の双方の意思と書面のやりとりによって成り立つものです。お金の貸し借りをすることについての意思確認と事実を証明するためにも、正本を2通作成しておくのが大切です。
お金を貸す人と借りる人がそれぞれ1通ずつ借用書を保管しておけば、金銭貸借があった事実を把握できるため、金銭トラブル防止対策としても役立てられます。

借金1万円を超えるときは印紙税が必要

借用書の取り交わしを行う際に、金銭貸借の金額によっては印紙税がかかります。借りる金額が1万円未満であれば印紙税は非課税ですが、1万円以上の金銭貸借では収入印紙が必要となります。

金銭貸借の額と収入印紙の金額

1万円以上10万円以下の場合 借用書1通につき収入印紙の金額は200円
10万円超~50万円以下の場合 借用書1通につき収入印紙の金額は400円
50万円超~100万円以下の場合 借用書1通につき収入印紙の金額は1,000円

借りたお金が1万円以上の場合で収入印紙が貼られていない場合でも、法的な効力を発揮することは可能ですが、過怠税を納税しなければならないためご注意下さい。過怠税が課税される場合は、通常の3倍の印紙税額が徴収されます

借主が未成年ではないこと

お金の借主が未成年である場合は、法律上におけるお金の貸し借りの契約は不可となっています。
作成した借用書の内容に不備な点がなく、貸主と借主の間でお互いの意思確認が成り立っている場合であっても、借主が未成年である場合は契約ができないため、その借用書自体が無効となります

確実にトラブルを防ぎたいなら公正証書が最も有効

「友人や家族との個人間でお金の貸し借りを行う際に、借用書を取り交わしておけば返済トラブルを防げる」と思い込んではいませんか?
借用書のみの作成でも証拠書類としては有効ですが、借用書類を公正証書にしておくことで、返済トラブルが生じた際に強制執行が可能となりますので、法的な効力がより強化されます

公正証書とは

個人や法人からの依頼を請けて、公証人の権限に基づいて作成された公的な文書です。公正証書がよく使われる身近な事例を挙げると、遺言書 (公正証書遺言) や不動産売買、任意後見契約などがあります。

借用書類を公正証書にするメリット

  • 紛失や盗難、データ改ざんのリスクに備えられる
    パソコンや手書きで借用書を作成した場合、紛失または盗難、改ざんされるリスクがあります。一方、公正証書の場合は正本と謄本が作成され、公証人の指示によって原則として公証役場にて20年間は保管されます。そのため、公正証書を作成しておくことによって、紛失や盗難のリスクにも万全に備えることができます。
  • 借金の回収がよりスムーズになる
    万が一借金返済トラブルに発展した際にも、貸主が公正証書を裁判所に出しておけば、借主に対しての強制執行の手続きが開始されるため、借金の回収がよりスムーズになります。

借用書類を公正証書にするためには?

必要な情報

借用書類を公正証書にするにあたり、当事者間でお金の貸し借りについて内容を固めた上で、以下の情報について正確に記載しなければなりません。

  • 借用書類を作成した日付
  • お金を貸す人 (貸主・債権者) と借りる人 (借主・債務者) 、双方の署名と住所を記載して実印で押印
  • お金を貸す (借りる) 日付と借りる金額
  • 連帯保証人の有無
  • 返済方法
  • 返済期限・遅延損害金が発生した際の延滞利息
    ※ただし、利息制限法における上限を超えた場合は違法となるため、契約自体が無効になるので要注意

具体的な進め方

STEP
借主と貸主、連帯保証人が存在する場合は連帯保証人も一緒に公証役場に行きます。

ただし、当日行けない事情がある場合は、代理人を立てることもできます。

STEP
借用書の内容を公証人が聴き取り文書に書き起こします。
STEP
借主・貸主・公証人による署名・押印を行い、公正証書が完成します。

手続きでは、身分証明書・認印 (または実印と印鑑証明書) が必要となります。
公正証書を作成する際には貸借の金額によって手数料が変わり、正本と謄本が交付される際には1枚ごとに所定の手数料が別途かかります。(1通につき5,000円以上の手数料がかかります。)

公正証書を作成するまでにはお金と手間がかかりますが、借用書を公正証書にすることによって法的な効力がより高まります。

借金には時効が存在するって本当?

友人や家族と個人間でのお金の貸し借りをした場合に、その借金には時効があることについてご存知でしょうか。
お金を貸した人が借金の支払い・返済を求める権利 (債権) は、法律に特別な定めがある場合を除き、以下の通りに規定されていますので、ぜひ知っておいて下さい。

  • 債権者が権利行使できることを知った時から5年

または

  • 債権者が権利行使できる時から10年

そのため、債権者が権利行使できることを知った時から5年、または債権者が権利行使できる時から10年の期間が過ぎた場合は時効によって、債権が消滅することとなります。

ただし、例外的なケースもあります。
弁済期 (返済期日・支払期日) が到来した後に、お金を借りた人 (債務者) が借入した金額の一部を返済した場合は、「時効期間の経過はゼロ」と見なされ、時効が更新されます。

個人間でのお金の貸し借りで返済トラブルが生じた場合、当人同士で問題を解決するのは難しく、ちょっとした言葉の行き違いからお互いの感情を害することもあります。司法書士や弁護士など法律のエキスパートへの早めの相談をおすすめします。

法テラス「借金や利息は、何年で時効によって消滅しますか?」

「借用書」に関するQ&A

友人や家族など個人間のお金の貸し借りで取り交わす借用書にまつわる質問と回答についてまとめました。

借用書の書類は手書きで作っても大丈夫?

大丈夫です。

ビジネス用の資料や契約書などの書類をパソコンで作成するのが主流になっていることもあって、「手書きで作成した借用書は無効になるのでは?」と心配になりますよね。
借用書に関しては特定のフォーマットや用紙などに決まり事はなく、その書類に最低限必要な項目について正確に記載されていれば、とくに問題はありません。
借用書を手書きで作成する場合は、便箋やレポート用紙、コピー用紙でも何でもOKです。極端に言えば広告チラシの裏面に書いても何の問題もありません。借用書の一部、またはすべてを手書きにしても、記載した内容に間違いがなければ法的に効力のある書類として認められます。

借用書は購入またはダウンロードできる?

借用書は購入する必要はなく、無料でダウンロードができます。

Googleなどの検索エンジンで「借用書 テンプレート 個人間」「借用書 テンプレート 無料 pdf」「借用書 テンプレート スマホ」といったキーワードで検索すると、無料の借用書テンプレートをダウンロードできるWebサイトが見つかります。無料の借用書テンプレートはPDFファイル以外にもExcelファイルやWordファイルなど、多彩な様式があります。
無利子でお金の貸し借りをする場合は「無利子」のキーワードで、利息ありでお金の貸し借りをする場合は「有利子」などのキーワードで検索します。「有利子」または「無利子」など、お金の借り方によっても借用書テンプレートの選び方が変わってきますので、ご注意下さい。

お金を借りる後で書いても効力ある?

お金の貸し借りを行った後に借用書の取り交わしをしていないことに気づいた場合でも、あわてなくて大丈夫です。借用書ではなく債務承認弁済契約書を作成しておけば、その書類に法的効力を持たせることができます。

お金の貸し借りを行った時点で借用書を作成していなかった場合や、借用書の取り交わしを行っていなかった場合は、債務承認弁済契約書を作成します。
債務承認弁済契約書とは債務 (借りたお金を返済する義務) について承認し、借金の返済方法(弁済方法) について記載された書類で、法的な効力があります。
借用書と債務承認弁済契約書に記載する内容はほぼ同じですが、それぞれの書類を取り交わすタイミングに違いがあります。借用書はお金の貸し借りが発生した時点で書類のやりとりを行いますが、債務承認弁済契約書はお金の貸し借りが発生した後に書類を作成します。

借用書の代わりになる書類・方法はある?

あります。

「お金を貸した相手が返済してくれない」「お金を貸した時に借用書を作成していなかった」という場合、借用書の代わりになる書類がありますので安心してください。
お金を貸した相手に返済してもらうには、支払催促 (督促状) または内容証明郵便を送る方法があります。
内容証明郵便とは発送日・郵便物の内容・相手がその郵便物を受取った日付などの情報について、郵便局が証明する公的なサービスです。内容証明郵便は損害賠償請求や借金返済、未払い金の支払いが遅れた時、契約解除の際に使われるのが一般的です。

書類に勝手に名前を書いたらどうなる?

借用書または債務承認弁済契約書に、勝手に名前を書いて書類を作成した場合や印鑑を押した場合は、有印私文書偽造などの罪に問われる可能性があります。

借用書はいつまで有効?

借用書は有効期限が定められています。

借用書の有効期限は債権者 (お金を貸した人に対して返済してもらう権利を有する人) が権利行使が可能であることを知った日から5年間、または債権者が権利行使できる時から起算して10年間となっています。5年間または10年間の期間を過ぎると「時効」となり、債務や債権が消滅することとなってしまいます。
ただし、お金を借りた側の人は「借用書を書いた日から長い年月が過ぎて時効を迎えたから、もう返済する義務がない」というわけではありません。お金を貸した相手から返済してもらう権利を維持するには、裁判を起こして債権を確定させることによって時効が更新され、有効期間が延長されます。
借用書の有効期限を過ぎてもお金を返済してもらえない場合は、お金の貸し借りをした当人同士では円満解決が難しいため、弁護士などの専門家に相談してサポートしてもらうのが最善策です。

監修者(ファイナンシャルプランナー)からのアドバイス

この記事では、家族や友人など個人間でお金を借りる時にぜひ作成しておくべき書類「借用書」の書き方、法的な効力を強くする借用書の書き方のコツと注意点について解説しました。

もちろん手書きでも構いませんが、借用書のテンプレート (PDF・Excel・Word)を無料でダウンロードしておくと便利です。
「借用書を取り交わすだけでは不安。確実に返済トラブルを防ぎたい」という方は、公正証書を作成するのが最善策です。パソコンや手書きで借用書を作成した場合、紛失または盗難、改ざんされるリスクがあります。一方、公正証書の場合は正本と謄本が作成され、公証人の指示によって原則として公証役場にて20年間は保管されます。そのため、公正証書を作成しておくことによって、紛失や盗難のリスクにも万全に備えることができます。

ただし、公正証書を作成するには当事者が公証役場に行き、1通につき5,000円以上の手数料がかかります。
高額なお金を借りる場合は、公正証書を作成しておいた方が万が一の時にも安心ですが、2~3万円程度の少額のお金を借りる場合はお金と手間をかけて公正証書を作成するよりは、個人間で借用書を用意しておくのが良いでしょう。

お互いに親しい間柄ではあっても、個人間でお金を借りる際には、証拠書類として借用書はしっかり残しておくべきです。借用書で取り決めされた返済期日を守り、信頼を裏切ることのないよう心がけましょう。

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